一昨年の7月だった…
当時、48才の私は無職だった。
『私は、罪を犯しました。』
いつも行くコンビニエンスストアの
ローソンで万引きをしたのだ。
かなり酔っていたのは確かだ。
しかし、意識はあった。
時間は、24時をまわっていた。
財布には千円が入っていた。
いつものチューハイを5本と、あたりめをカゴに入れた。
チューハイ5本の内、1本を自分のリュックに隠し入れた。
そして、カゴの分の会計を済まして、そそくさと店を出た。
自転車に乗ろうとすると、社員らしき従業員に呼び止められた。
『このリュックに入っている1本は、レジを通していませんよね?』
私は素直に認めた。
『今まではこんな事をしていなかったのに、今日は何でこんな事をしたのか?!』
と副店長から厳しく怒られた。
代金はお支払いします!!と伝えたが、
警察を呼ばれた。
警察では初犯である事、金額が少ない事を考慮され、お咎めのみで解放された。
その代わり、次、同じ事をしたら窃盗で逮捕すると警告された。
真夜中の2時なのに、両親が迎えに来てくれていた。
両親は何も言わなかった…
父はその12年程前に、同様のことを犯し、私が身元引受人として助けていた事があったから、言うに言えなかったのだろう…
ただ、母親は怒るでもなく、泣くでもなく、無表情だった。
ローソンに出向き、代金を支払った。
そして、二度と出入りしない誓約書を書いた。
私は、そのまま家を飛び出した。
もちろん、酒は持っていた…
とても、家には居られなかった…
48才にして、丸2日、家出をした。
公園は暑く、蚊に刺され、脱水症状になりかけだった…。
お金もクレカの残金も無くなり、もう、どうしようもなかった…
48才の夏、私は最悪の最悪だった…
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