【終わりの始まり㉞】退院後にSLIPする愚か者

 

私は、2016年1月10日に退院した。

 

大して感慨深いもの等はなかった。

 

退院できた嬉しさも不思議なくらいに感じる事はなかった。

 

自分自身、入院前と3ヶ月後で大した変化を感じなかったからだと思う…。

 

体重が3kgほど落ちたという事だけで、ただ3ヶ月間、お酒を我慢して、肝臓が回復したという事だけだった。

 

患者仲間の内、ただ1人、私が面倒をみていた統合失調症の若い男の子だけが、私の退院を悲しがり、涙で見送ってくれていた…。

 

私は迎えに来てくれた妻の車に乗り、家路に向かった。

 

退院して暫くは、ちゃんと抗酒剤を飲んで、断酒も継続していた。

 

日中は妻は仕事だったので、私はひとりにならないように、すぐ近くの私の実家に行くようにしていた。

 

退院時の約束も遵守して、地元の断酒会にも参加したし、退院した後も電車に乗って通院もした。

 

しかし、断酒の日々はそう長くは続かなかった…。

 

退院して二週間が経ったある日だった。

 

私はSLIPしてしまった。

 

(SLIPとはアル中の世界では、再飲酒の事を言います。Soblietry Loses Its Priorityの頭文字。素面であることが最優先ではなくなった…が直訳)

 

きっかけは、ほんのちょっとした好奇心からだった…。

 

抗酒剤を飲んで、飲酒したら、どうなるのだろうか??🤔

 

それが呼び水となった。

 

その日は朝からシアナマイドという液体の抗酒剤を服用していた。

 

にも関わらず、私はコンビニまで自転車で向かい、チューハイのロング缶を二本購入した。

 

そして、すかさず自宅に帰り、早速飲酒するのだった。

 

三ヶ月ぶりのチューハイは、思いのほかスゴく不味かった…🤮

 

飲酒して、10分もすると…カラダ中が真っ赤になった。

腰から下、特に太ももが赤くなった。

 

しかし、異常はその位だった。

頭痛もしないし、聞いていたような症状は私には起こらなかった…。

 

私は理由は分からないが、咄嗟にスマホで真っ赤になった太ももの📷を撮影するのだった…。

 

その再飲酒は、妻や両親にはバレることはなかったが、味をしめた私は翌日以降も飲酒するのだった…

 

そうして、徐々に断酒会にも行かなくなり、病院からも遠ざかるようになっていった…

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

皆さまの応援が、毎日の更新パワーの燃料🔥になっております!!
よろしければ、下のバナーボタンをポチッとクリックお願いいたします。
すっごく、励みになります♫
よろしくお願い致します。
m(_ _)m✨

PVアクセスランキング にほんブログ村