【終わりの始まり⑦】失意の都落ち

 

ある日、私は店長に呼び出された。

 

他の店舗への異動辞令だった。

 

目の前が真っ暗になった😨

 

しかし、断る事はあり得ない。

店長は何やらニヤついていた…。

悲しく悔しかったが、言葉をのんだ。

 

今まではチャリで片道5分だったのが、翌日から十倍の距離となった。

片道20キロ近くはあったと思う。

 

何よりも、ユキに会う時間が激減したのが辛かった。

 

そう、女子大生は店長に報告したのだ。

 

私はその女子大生を呼び出す事はしなかった。

言った所で何も変わらないからだ…。

 

この頃から私は極度の食欲不振になった

 

酒だけで生きていたように思う。

 

飲み方もおかしくなり、仕事中でも

休憩時間中に飲むようになっていた。

 

段々と痩せていった…。

 

異動してからも、ユキとはメールや電話はしてはいた。

 

でも会えない辛さから私は酒に逃げ、

徐々に身体と精神は蝕まれていった。

 

異変を感じた同期の社員は私を励ましてくれた。

 

しかし、私はもう何もかもどうでも良くなっていた…。

 

異動後2ヶ月経った頃、地域の社員での慰労会があった。

当然、行きたくはなかったが、強制的に参加させられた。

 

そこで事件は起きた…。

 

上層部からかなり飲まされた私は早々に潰れてしまった。

 

体育会系気質の会社だ、飲ませ方もエゲツなかった。

 

すると、私が嫌いな店長が離れた場所で、私の話しを周りに言いふらしていた。

 

その声で私は起きた。

 

私は我慢する事が出来ず、店長に大声を張り上げてしまった。

 

何を言ったのかは自分でも分からなかった。

 

すると、瞬間湯沸かし器で元ヤンの店長は、あっという間に私に馬乗りになり首を締め、ポカポカ殴ってきた。

 

産まれて初めて殴られた私は瞬殺され、意識を失ってしまった。

 

気づいたら同期に介抱されていた。

 

泣きじゃくる私は、もはや絶望感でいっぱいだった。

 

翌日から会社を無断欠勤した。

 

会社は携帯にガンガン電話を鳴らしてくる、アパートに尋ねてきたりもした。

 

しかし、私はもはや、どーでもよくなり、ひたすら酒を呑んでいた。

 

首だけがやたらとズキズキ痛かった…。

 

事件から丸2日ほど経った頃だった…

遠方にいた父が目の前に現れた。

 

衝撃だった😰

 

父親は何も言わず、

『私に任せておきなさい』

とひと言だけ私に言った。

 

それから間もなくだった。

会社の上層部である人事部長とエリアマネージャーが

私のアパートを尋ねてきた。

 

何やら退職予告手当25万円と治療代5万円を渡して、父に頭を下げていた。

 

そう、父は会社と交渉してくれたのだ。

 

店長の非を私に詫びる上層部…

 

しかし私はどーでもよかった。

 

何よりも、30才にもなるのに、61才の父に迷惑を掛けてしまった事に情けなさが込み上げ、涙が止まらなかった😭

 

その日の晩は父と炉端焼きに行き、

久しぶりに一緒に酒を飲んだ。

 

翌日、私のことを心配するアルバイトたちが私のアパートに駆けつけてくれた。

 

凄く嬉しかった。

 

しかし、そこにはもう…

ユキの姿はなかった・・・・・・・・。

 

その後、ユキからは

『面倒くさくなった。ごめんね。』

とひと言だけメールがあった。

 

お別れだった。

 

傷心の私は、会社への退職手続きと

引っ越しを手配し、父に連れられ、

足早に両親の住む故郷へ向かった。

 

これで関東とはお別れになった。

 

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