ある日、私は店長に呼び出された。
他の店舗への異動辞令だった。
目の前が真っ暗になった😨
しかし、断る事はあり得ない。
店長は何やらニヤついていた…。
悲しく悔しかったが、言葉をのんだ。
今まではチャリで片道5分だったのが、翌日から十倍の距離となった。
片道20キロ近くはあったと思う。
何よりも、ユキに会う時間が激減したのが辛かった。
そう、女子大生は店長に報告したのだ。
私はその女子大生を呼び出す事はしなかった。
言った所で何も変わらないからだ…。
この頃から私は極度の食欲不振になった
酒だけで生きていたように思う。
飲み方もおかしくなり、仕事中でも
休憩時間中に飲むようになっていた。
段々と痩せていった…。
異動してからも、ユキとはメールや電話はしてはいた。
でも会えない辛さから私は酒に逃げ、
徐々に身体と精神は蝕まれていった。
異変を感じた同期の社員は私を励ましてくれた。
しかし、私はもう何もかもどうでも良くなっていた…。
異動後2ヶ月経った頃、地域の社員での慰労会があった。
当然、行きたくはなかったが、強制的に参加させられた。
そこで事件は起きた…。
上層部からかなり飲まされた私は早々に潰れてしまった。
体育会系気質の会社だ、飲ませ方もエゲツなかった。
すると、私が嫌いな店長が離れた場所で、私の話しを周りに言いふらしていた。
その声で私は起きた。
私は我慢する事が出来ず、店長に大声を張り上げてしまった。
何を言ったのかは自分でも分からなかった。
すると、瞬間湯沸かし器で元ヤンの店長は、あっという間に私に馬乗りになり首を締め、ポカポカ殴ってきた。
産まれて初めて殴られた私は瞬殺され、意識を失ってしまった。
気づいたら同期に介抱されていた。
泣きじゃくる私は、もはや絶望感でいっぱいだった。
翌日から会社を無断欠勤した。
会社は携帯にガンガン電話を鳴らしてくる、アパートに尋ねてきたりもした。
しかし、私はもはや、どーでもよくなり、ひたすら酒を呑んでいた。
首だけがやたらとズキズキ痛かった…。
事件から丸2日ほど経った頃だった…
遠方にいた父が目の前に現れた。
衝撃だった😰
父親は何も言わず、
『私に任せておきなさい』
とひと言だけ私に言った。
それから間もなくだった。
会社の上層部である人事部長とエリアマネージャーが
私のアパートを尋ねてきた。
何やら退職予告手当25万円と治療代5万円を渡して、父に頭を下げていた。
そう、父は会社と交渉してくれたのだ。
店長の非を私に詫びる上層部…
しかし私はどーでもよかった。
何よりも、30才にもなるのに、61才の父に迷惑を掛けてしまった事に情けなさが込み上げ、涙が止まらなかった😭
その日の晩は父と炉端焼きに行き、
久しぶりに一緒に酒を飲んだ。
翌日、私のことを心配するアルバイトたちが私のアパートに駆けつけてくれた。
凄く嬉しかった。
しかし、そこにはもう…
ユキの姿はなかった・・・・・・・・。
その後、ユキからは
『面倒くさくなった。ごめんね。』
とひと言だけメールがあった。
お別れだった。
傷心の私は、会社への退職手続きと
引っ越しを手配し、父に連れられ、
足早に両親の住む故郷へ向かった。
これで関東とはお別れになった。
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