いつもニコニコしているエリアマネージャーだったが、いつになく神妙な面持ちなのが、気になった…
マネージャーは世間話もそこそこに、いきなり本題を切り出してきた。
『ぶた丸君、単身赴任は可能かね?通いではなく、入寮してもらいたい。』
突然すぎる申し入れに、思わずフリーズしてしまった…😮
『あのー、どういうコトでしょうか?』
やっと、私は声を絞り出した。
結論はこうだった。
私の住む場所から大阪に通うと、通勤費(約4万円)が高額となっている。
更に自宅のマンションの住宅手当として、4万円支給しているから、コストがかなり掛かっている。
私が入寮すれば、通勤費が安くなるというのが、会社からの提案だった。
理屈は分かった。しかし、そうなると大阪の家賃は私が全額負担となる。
逆に、私の大阪の家賃に住宅手当を充当するとなると、マンションの家賃が全額負担となる。
つまり、いずれにせよ、ぶた丸家の家計としては大損となるだけだった。
要は、体のいいリストラに思えた。
私のパフォーマンスがコストに見合わないと言いたいのだろう…。
『少し考えさせてください。妻と話し合います。』
私はそれしか言えなかった…。
帰宅後、夜遅くに妻に相談したが、
妻の回答は『NO』だった。
正直、ホッとした部分が大きかった。
私は、大阪に住むというイメージが全く持てなかったからだ…。
さすがに、その晩は荒れた🌊
久しぶりに酩酊するまで呑んだ…🤬
糖尿病治療のために2ヶ月呑んでいなかった為に、ズタボロに酔っ払った…
アルコール依存症の患者が断酒して、再飲酒することを『SLIP』という。
sobrietry loses its priority の頭文字
『素面でいる事を最優先事項では失くした』の意味
スリップしてしまうと、ダイエット後のリバウンドのようになるのだ。
私は、当時はまだ自分がアルコール依存症である事を認識していなかったのだ。
ココが後の『ターニングポイント』になるのであった…
私なりに、頑張ったつもりだった。
糖尿病の治療にも必死に取り組んだ。
その結果が、コレだった…。
わずか、3ヶ月で終わってしまった。
もう、何も考えられなくなっていた…
次の日は体調不良で休んだ。
私の結論は早かった。
マネージャーには呼び出された2日後に『断り』を申し入れた。
意外な程に、アッサリと受け入れてくれた。
私が断ると踏んでいたようだった。
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