【終わりの始まり⑤】機動隊事件

 

季節は真冬、二月でした。

 

その日は、仕事先で仲の良い呑み仲間、

茜と呑みに出掛けた。

 

 

茜はイイ女で六つ年下だったが

酒は私より強かった。

 

 

茜と呑む時は最高に楽しい!!

 

 

その日の私は少々テンションが

高かったカモ知れなかった…。

 

 

いつものように麦焼酎の水割りを

ガブガブ呑みあいっこして、

 

かなり二人とも酔っ払ってしまった。

 

完全に見事なまでに千鳥足…。

 

自力で帰れるワケもなく、

二人でタクシーに乗り込んだ

(らしい…笑)

 

らしいとしたのは、後日に

居酒屋の店長から聴いたからだ。

 

 

既に時刻は真夜中の一時を回っていた。

 

 

茜は『私の実家に泊まりたい』と

呑んでる時から言ってたので、

実家近くで降ろしてもらった。

 

 

実家まで、後100メートル。

 

 

私は眠った茜の左肩をかついで、

引きずるようにして実家に向かった。

 

 

しかし、私も限界だったのか

バランスを崩し、道路右側にある

ゴミ捨て場に倒れ込んでしまった。

 

何故かその記憶はしっかりあった…。

 

 

不覚にも、

ゴミ捨て場で眠り込む二人の酔っ払い…

 

 

季節は真冬です。

 

 

すると、、、

 

強烈なライトの光が目に刺さった。

 

何やら知らないおっさんが

私をのぞき込んでいる。

 

 

しかも、三、四人いる…

 

 

しかも、『防弾チョッキ』みたいな

モノまで着ている!!

 

 

『生きてますか?』と話し掛けてきた。

 

 

茜はまだ寝てる。

 

 

『えぇ、生きてますよ。どうしたんですか?』私は答えた。

 

 

聞くと、近所の人から、路上に

死体が二人転がっていると

通報が入ったとの事だった。

 

 

『んなワケないじゃないですか。帰ります。すみませんでした。行くぞ、茜!』と、起き上がりまた、茜を引きずるようにして家路に向かった。

 

 

警察官4人も後をついてくる。

 

 

後ろにはパトカーが真っ赤なサイレンを

無音でクルクル回していた。

 

 

実家のチャイムを鳴らす。

 

 

時刻は3時半だった。

 

起こされる母も迷惑な話だ。

 

玄関を開けた母、突然の光景に

腰を抜かしたのは言うまでもない。

 

警察官も実家に上がり込み、

私と茜に事情聴取する事になった。

 

 

ようやく起きた茜に、警察官は

私とは本当に友達か?と尋ねていた。

 

 

まだ酔っ払ってる茜は、

『アハハ!そーに決まってるじゃないですかぁ!!何言ってるんですか!おまわりさーん!!』

と豪快に笑い飛ばした。

 

 

事情聴取は案外すんなりと終わった。

 

 

時刻は朝4時を過ぎていた。

 

茜を私の布団で寝かした。

 

 

私はその後、母からビンタされ、

頭から水をかけられた。

 

 

当たり前だ。

 

 

母には未だに言われる…

ごめんよ、かあちゃん。

 

こんな感じの失敗を

幾つも繰り返したワケだが…

 

後に私を起こしたのは

機動隊だった事が判明し、

 

この件は『機動隊事件』と

友達からは言われている。

 

 

茜はその後、36才で結婚し、

今は44才。

 

立派なママさんです。

 

 

当時、30才を迎えた私は

3回目の転職をしようとしていた。

 

 

今度は回転寿司チェーンだ。

 

 

しかし、懲りない男は、やはりそこでもやらかす事になる…

 

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