私は、トボトボ…とぼとぼと、
下を向いて歩いていた…。
ただ、ひたすら歩いていた。
靴の底だけが無駄に擦り減っていた…
コピー機は全然売れない…。
売れる筈がない。
売ろうとしてないのだから…。
星くんと回っていた時、マグレで1台だけ売れただけだった。
会社も新人に実績を上げさせようと値段を叩きに叩いた。
まるでバナナ🍌のように…。
相手は天下のヒカリ通信だった。
ほぼ、原価同然で売れた。
ヒカリ通信がアホらしくなり手を引いただけだった…
複合機の市場は、大◯商会とヒカリ通信の天下だった…
奴らの通った場所には、ペンペン草も生えていなかった…
その頃、追加で中途入社が入ってきた。
イキの良いのが4名いた。
その中にオザキ君という元気な奴が居た。
何故か、ソイツはやたらと俺くんに懐いた。
当初は正直、うっとうしかった。
チビなのに、『ジャンボ尾崎』と名付けられていた。
私はその頃既に、完ぺきに『サボり癖』が定着していたのだ。
ヒマさえあれば、マンガ喫茶に足を運んでいた。
その時に初めて『カイジ』を読んだ。
涙が止まらなかった…😭
思い切り感情移入してしまった。
とにかく、ひとりになりたかった…。
好きだったのは多摩川に行く事だった。
スーツを脱いで、Tシャツになり、過ごしたりしていた。
その内、気が大きくなり、ビール🍺を買って飲んだりもするようになっていた…
終わっていた…
完全なダメリーマンだった。。
そんな頃、オザキから良く電話が掛かってくるようになった。
『ぶた丸さん、今どこに居るんですかぁ?もし良かったら合流しません?』
脳天気なヤツだった…
でも、どこか憎めない奴ではあった。
『河原で酒呑みながら、草野球みてるよ。来たけりゃ来いよ』
俺は拒まなかった。
チビは犬🐶のように、やってきた。
くだらない話をしたが、内容は覚えていない。
それほど、しょーもないハナシだった。
私の顔は連日の日光浴☀で、真っ黒に日焼けしていた(笑)
上司は毎日の朝礼で『ぶた丸の顔を見ろ!毎日歩き回っているから真っ黒じゃないか!お前らも見習って、どんどん飛び込み訪問しろ!』
皆んなに発破をかけるのだった。
私は苦笑いするしかなかった…。
オザキも笑っていた。
そして、私は退職届を提出した。
もう、歩く事も限界だった。
入社から丁度3ヶ月が経っていた…。
関連記事
いつも、応援いただき誠にありがとうございます!皆さまの応援が毎日の更新パワーの燃料になっております!よろしければ、下のバナーボタンをポチッとクリックお願い致します。よろしくお願い致します。m(_ _)m