【転職紀行⑥】ダメリーマン誕生

 

 

私は、トボトボ…とぼとぼと、

下を向いて歩いていた…。

 

ただ、ひたすら歩いていた。

 

靴の底だけが無駄に擦り減っていた…

 

コピー機は全然売れない…。

売れる筈がない。

売ろうとしてないのだから…。

 

星くんと回っていた時、マグレで1台だけ売れただけだった。

 

会社も新人に実績を上げさせようと値段を叩きに叩いた。

まるでバナナ🍌のように…。

 

相手は天下のヒカリ通信だった。

ほぼ、原価同然で売れた。

ヒカリ通信がアホらしくなり手を引いただけだった…

 

複合機の市場は、大◯商会とヒカリ通信の天下だった…

奴らの通った場所には、ペンペン草も生えていなかった…

 

その頃、追加で中途入社が入ってきた。

イキの良いのが4名いた。

 

その中にオザキ君という元気な奴が居た。

 

何故か、ソイツはやたらと俺くんに懐いた。

 

当初は正直、うっとうしかった。

 

チビなのに、『ジャンボ尾崎』と名付けられていた。

 

私はその頃既に、完ぺきに『サボり癖』が定着していたのだ。

 

ヒマさえあれば、マンガ喫茶に足を運んでいた。

 

その時に初めて『カイジ』を読んだ。

涙が止まらなかった…😭

思い切り感情移入してしまった。

 

とにかく、ひとりになりたかった…。

 

好きだったのは多摩川に行く事だった。

スーツを脱いで、Tシャツになり、過ごしたりしていた。

 

その内、気が大きくなり、ビール🍺を買って飲んだりもするようになっていた…

 

終わっていた…

 

完全なダメリーマンだった。。

 

そんな頃、オザキから良く電話が掛かってくるようになった。

 

『ぶた丸さん、今どこに居るんですかぁ?もし良かったら合流しません?』

 

脳天気なヤツだった…

 

でも、どこか憎めない奴ではあった。

 

『河原で酒呑みながら、草野球みてるよ。来たけりゃ来いよ』

 

俺は拒まなかった。

 

チビは犬🐶のように、やってきた。

 

くだらない話をしたが、内容は覚えていない。

それほど、しょーもないハナシだった。

 

私の顔は連日の日光浴☀で、真っ黒に日焼けしていた(笑)

 

上司は毎日の朝礼で『ぶた丸の顔を見ろ!毎日歩き回っているから真っ黒じゃないか!お前らも見習って、どんどん飛び込み訪問しろ!』

皆んなに発破をかけるのだった。

 

私は苦笑いするしかなかった…。

 

オザキも笑っていた。

 

 

そして、私は退職届を提出した。

 

もう、歩く事も限界だった。

入社から丁度3ヶ月が経っていた…。

 

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